SFコメディ小説/さいえなじっく☆ガールACT:51
「ほ、ほ、ほ、ほ。」
〈?どうした、なにを笑ってるんだ(ザー)〉
「ちゃちゃ、ちゃうって!わろてんのとちゃうわいっっっ!ほづみ君、て言おーとしてねん!」
〈はあ。なにか(ザー)〉
「だ、誰かおる!上に、誰かおるで!!!」

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「ほ、ほ、ほ、ほ。」
〈?どうした、なにを笑ってるんだ(ザー)〉
「ちゃちゃ、ちゃうって!わろてんのとちゃうわいっっっ!ほづみ君、て言おーとしてねん!」
〈はあ。なにか(ザー)〉
「だ、誰かおる!上に、誰かおるで!!!」

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足が地面から離れた直後は気持ちと同じで飛び方にもとまどいがあったが、一度コツを覚えてしまうと意外なほどに空中移動はラクだな、と夕美は思った。
手足をばたつかせる必要こそないものの、感覚としては水中を潜って泳ぐのに似ている。
〈どう。もう慣れたんじゃない?(ザー。)〉
「うん、まあまあ…」となにげに振り返ると、すでに地面ははるかに遠ざかり、車はミニカーのように小さく遠くなっていた。
「ひゃうあああああああああああぁ!!」
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瓶のガラスは褐色なので中身のどぎついピンク色はわからないが、ニオイはどうしようもない。昨夜口にした原液の事を思えばかなり薄められているはずだが、薄めた方が臭いが立つという例もある。世の中に激クサだが美味だという食べ物は多々あるというが、この薬はただひたすらに臭いだけだ。おまけに16年の夕美の短い生涯の中で、口にするものでこれに勝る変な味のものはないし、おそらく将来もないだろう。いや、あっても知りたくなどないと思うが。
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「さー、そらどーかなあ」
ヘリコプターは倒れかけたクレーンへ上からゆっくりと近づいてゆく。
耕介は言った。
「うーん、あのデカブツでは多分無理やで。よお見てみい、クレーンの先っぽ」
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ほづみはトランシーバーをひととおりテストすると、あらためて車内の夕美に使い方を説明してヘルメットを渡し、亜郎に部室への案内を乞うた。
メディア部の部室から飛ばしたラジコンヘリ搭載のビデオカメラを通して、クレーンのてっぺんにある操縦室まで跳んで行く夕美に直接指示をしようというのである。
「…はあ。しかし、問題は今も部室で留守番して取材を続けてくれてる先輩なんだよなあ」と亜郎。
「先輩?メディア部の?」と夕美。

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「うーん、うーん、すごい。すごいなあ〜」すごいなあ、を連呼しながら耕介とガイアマン隊員ヘルメットを交互に見る亜郎の眼は夢見る少年のそれだったが、夕美にしてみればこれも無駄に元手のかかったおそろしく高い買い物と家計を顧みないバカオヤジ以外のなにものでもない。
もうすぐ中天高く太陽が昇る時間でエンジンを切った車の中はかなり暑苦しいのにもかかわらず、夕美は着替えを口実にカーテンを締め切ったクルマの中にいた。いまは少しの間でも独りになりたかったのである。

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